Self Managed Superannuation(自己運用年金)

セルフ マネジド スーパーアニュエーション(自己運用年金)、略して”SMSF”は、いわゆるDIY型スーパーです。SMSFを持つということは 名前にある通り、SELF MANAGE – 年金管理を自ら管理するという事です。近年では貯蓄やリタイア、不動産購入目的で始める人が多く、人気があります。

しかし、SMSFを立ち上げるのであれば、管理法、及び順守用件(コンプライアンス)をきちんと認識しておく必要があります。下に記した情報には、SMSFの管理をするにあたっての特定の義務や、多くの質問に対する答えが記されています。現在利用しているスーパーから、自身でSMSFを運用する事をお考えの際は、問題や困惑をさける為、事前にファイナンシャルアドバイザーとオプションの詳細についてご相談されることをお薦めします。

SMSFとは:
SMSFは、将来の退職金を提供するために、資金や資産が最高4人までで保持、管理されるスーパーです。特定の例外を除き、全てのSMSFメンバーはファンドの責任ある管理人になります。

利点について:
SMSFを設立する主立った理由には、投資の選択肢の幅と、自身の管理レベルの増加があります。自身がファンドのマネージャーとなって、投資戦略と、ファンド内にある資産の種類を決定する事が出来ます。また、SMSFだと通常のスーパーではできない種類も含め、アートやFOREX、自分のビジネス不動産など、様々なものへの投資が可能になります(限度、及び公的な制限が含まれる)。これによってファンドの投資をリタイア前後の時期の必要性に応じたものへとカスタマイズできるようになるのです。おまけに、他のスーパーファンド同様、SMSFはコンセッショナルレートの15%で課税されます。これは投資収益に対して最高税率は15%ということです。ただし、この税金のコンセッションは、ATOと、1993年私的年金監督(SIS)法とSIS(=superannuation industory supervision)規制に基いた、全ての規則を満たしたSMSFファンドのみが対象となります。

考慮すべき点:
統括機関は誰か?
ATOはSMSFの規制を監督する責任があります。ATOの規制アプローチが教育と情報分野に焦点を当てているので、ファンドのコンプライアンス(法令遵守)は厳しいものとなっています。

SMSFに関する義務と規則を把握しておく:
SMSFの投資者として、ファンドの投資戦略方を考慮する必要があります。 他のスーパーでの投資同様に、どのくらいのリターンが必要で、退職にはいくら必要なのか?どのくらいのリスクを負えるかについて考えておくと良いでしょう。やはり自分で勝手に決めるのではなく、プロのアドバイスを取り入れるといいでしょう。

SMSFのマネージャーとして、定期的にファンドの投資戦略を見直す事と、ファンドのメンバーのための保険を考慮することも要求されます。

SMSFを開ける多くの投資家は、彼らの基金のための難しいコンプライアンスを引き受けてもらえるよう、専門管理者のサービスを利用しています。 プロにコンプライアンスを負担してもらうことで 、投資にフォーカスする事ができます。

年金法に沿ったファンドのコンプライアンスは不可欠です。あなたには、プロの管理に代金を支払ってでも、全てのルールに従ったファンドを確立する、法的責任があります。

SMSFコンプライアンスでチェックされる主な内容:
• いつ、どのような 借入許可を持っているのか
• 組織内の資産ルール
• 関連パーティーからの資産取得の有無
• アームズレングス(個人に近すぎない投資:自分や家族のビジネスなど)での取引の実行

一番大切なスーパーの目的はソールパーパステスト:
SMSF監査システムの基礎は”ソールパーパステスト” ー スーパーファンドは、メンバーに退職金を提供する事が唯一の目的でなければならない。なので今の自分の益を考えるのではなく、将来のリタイアメントの為に運営されるべきである。

資産分離:
ファンドの資産は、一人づついくらあるのか分けて確認できるよう管理されてなければなりません。例えば、メンバーが破産宣言をしたり、事業が管財人に管理されて、資産が取り押さえられる場合などがあるからです。資産の分離を怠ることは、SISへの明瞭な違反となります。

SMSFの投資:
SMSFにある資産が退職資金を支払うことができるよう、SMSFでできる投資は制限されています。しかしながら、投資不動産に ファンドの資産を100%まで投資できることはSMSFの特権の一つです。不動産に全て投資となると 投資の多様性と流動性が乏しいデメリットも出てきます。ソール パーパス テスト(Sole PurposeTest)に加えて、個人利用目的の資産とコレクタブルの投資にはより厳格な規則が与えられます。コレクタブルに関しては 投資からの益をあまり受けることができません。例えば、 インハウスアセットやアームズレングスの規則に沿って厳しい条件があるので、 芸術品はメンバーの家やオフィスに飾られることはありません。インハウスアセットの規則では、特定の投資に於いてはファンドの総資産を最高5%まで投資できる、と示唆しており、アームズレングスの必要条件(資格)だと、商業用のレートで関連したパーティー(related party)にリースされるベき、と示唆されています。

SMSFとプロパティ:
このところ、不動産購入目的でSMSFを利用することが人気を博していますが、SMSFで不動産を購入することを考えているのなら、 実行に移す前にファイナンシャルプランナーとの打ち合わせと、十分な考慮が必要になります。ご自分のポートフォリオ内で不動産を維持することが、投資戦略に沿っていて、更に不必要なリスク解除に役立っていますか?ファイナンシャルアドバイザーは、あなたの為にピッタリの投資決断を下す手伝いだけでなく、ファンドが法律やルールを犯してコンプライアンスに背いていないかを確認する手伝いもしてくれる事でしょう。SMSFを介して購入した全ての不動産がソールパーパステストに適合していること、ファンドメンバーやその関連者からの購入ではないこと、彼らが住んでいた、もしくは彼らによって貸し出されていた物件ではない事が条件となります。

Limited Recourse Borrowing Arrangements(LRBA):
”LRBA”は、住宅、もしくは商業用不動産等の資産購入を目的とした借金に利用ができます。スーパー内での投資目的によるLRBAの活用は、2007年から実施されるようになりました。それまでは、法律で禁じられていた為、限られた状況を除いてはスーパーのファンド内でお金を借りることは不可能でした。2010年の改定によって、投資目的で借りるスーパーファンドの容量はさらに明確になりました。LRBAは、全てのスーパーに関わる法律及び貸手条件に応じるように設定されていなければなりません。 リミテッドリコースとあるように、銀行などの貸手は信託資産以外の資産に手を出すことはでいません。資産は、ローンリミテッドリコースを確保するために、ベアトラストに於いて保持されていなければならず、一度資産が得られると、資産の性質が変わらないように維持されなけでばなりません。

受認者の義務:
ファンドの全ての受認者の義務は、SMSF自身の銀行口座を保持してそれが貸し越し口座でないことを確認する事です。全ての規則に従っているSMSFは、ATOに対し、適切に管理されているという旨を実証しなければなりません。全ての規則とコンプライアンスに対するSMSFの管理費は安くはありません。なので、一般的には$150,000から$200,000ほどの合計金額がある方がSMSFを作っています。

<SMSF 用語>

Trustee – 受託者とは、メンバーの退職時の利益を増す為に、ファンドの資産を保持して投資する個人または企業のこと。

メンバーとは、積み立てをファンドにし、またファンドから恩給を受け取る人のこと。

A Trust Deed(担保信託証書)とは、ファンドを設立し操作する為の規則を述べた公的書類のこと。

A Bare trust – ベアトラスト(別の名をホールディングトラスト)とは、受託者が単に受益者に代わって資産を保持する場所のこと。

ファンドに”関連したパーティー(related party)”は、ファンドの全メンバー、メンバーの同僚達、親類、ビジネスパートナー、そして/またはビジネスパートナーの伴侶や子供達をも含む。

レンダー(貸し手)とは、単一の資産に投資する為にSMSF/裸信託金を貸す人物のこと。

A beneficiary of a bare trust – 裸信託の受認者は、信託がSMSF用の資産を保持しているので、一般的にはSMSFのことを指す。

分散化とは、様々な資産に投資することによって、投資のリスクを減らすために用いる手段を指す。

流動性とは、資産を現金化すること (株式に比べて不動産は変換が難しい。)

リミテッドリコースとは、貸し手が不履行な事態に於いて、限定された融資の請求権を持つこと。

受認者の義務とは、一方の当事者が他パーティーの為に最善を尽くすという、法律上の義務のこと。

更に詳しい情報に関しては、ファイナンシャルプランナーに是非ご相談ください。